資産運用をするにあたり、効率よくお金を殖やしたいとお考えの方におすすめの方法として、生命保険があります。
意外かもしれませんが、生命保険にはお金を殖やす機能もあるのです。
中でも「変額保険」は、資産運用の効果が非常に高く、お金を殖やしたい方におすすめなのです。
では、変額保険にはどんな特徴があるのでしょうか。
まずはこちらに変額保険(終身タイプ)のイメージ図を用意しました。
こちらについて詳しく説明していきます。
変額保険とは?その特徴は
変額保険とはその言葉の通り、保険金や解約返戻金(解約したときに契約者にバックされるお金)、満期保険金の金額が変動する保険のことを言います。
保険金の支払いについて、終身型と有期型に分かれ、またそれぞれ保険料の支払いについても、毎月支払うタイプと一時払いのタイプがあります。
また、通常の年金保険の資産形成効果を強めた、変額年金保険というものもあります。
変額保険の特徴
・保険料以外の金額が変動する
変額保険の最大の特徴は、「運用方針を契約者自身が決定し」「運用成果によって解約返戻金等の金額が決定される」ということです。
つまり、高い返戻率を狙って攻撃的に運用することも、その逆も契約者自身で決められます。
保険会社は、保険料の一部を何らかの投資先に預けて運用し、少しずつお金を殖やしています。
このお金は将来の保険金や解約返戻金の原資になるのですが、変額保険の場合は投資先が株式や債券、投資信託といったハイリスク・ハイリターンの運用を行います。
これが資産形成効果を高めているのです。
・定額保険との違い
一般的にイメージされる保険は「定額保険」と言われ、死亡保険金も解約返戻金も、契約時点で確定します。
外貨建て保険も定額保険の一種で、日本円に換算するときに為替の影響を受けますが、外貨ベースでは契約時点ですべての金額が確定します。
定額保険の保険料の投資先はローリスク・ローリターンの国債が中心で、安定と引換に資産運用効果は小さくなります。
こちらの表に変額保険、定期保険(円建て、外貨建て)の比較をまとめました。
変額保険のメリット
・返戻率が高い
変額保険では、ハイリスク・ハイリターンの運用を行うため、返戻率が高いのが最大のメリットです。
例えば30歳の人が65歳まで保険料を支払ったとすると、円建て終身保険(定額)だと解約返戻金の返戻率は概ね118~125%くらいです。
つまり、35年かけて500万円の保険料を支払っても、625万円程度にしかなりません。
外貨建ての場合は、プランと景気・為替相場によっては返戻率150~200%くらいを狙えます。
変額保険の場合、契約時点で返戻率300%を目指すことも可能(300%を保証するものではありません)ですので、保険の中で最も資産形成効果が高いのがメリットです。
・保険金の最低保障がある
変額保険も保険ですから、契約者が死亡したときに死亡保険金を保険金受取人に支払います。
保険金だけは運用成績に関係なく最低保証があるので、契約者に万が一のことがあっても遺族は安心です。
そして、変額保険の死亡保険金は運用実績が良ければ、最低保証額プラス運用実績分を上乗せして受け取れます(解約返戻金には最低保証はありません)。
変額保険のデメリット
運用成績によっては元本割れリスクが!
変額保険は投資性の強い保険商品ですから、運用成績によっては元本割れを起こすこともあります。
これは外貨建て保険にもありますが、適切な回避方法を講じることで、ある程度解決されます。
運用方針を決めるストレス
定額保険が、運用方針を保険会社が決めるのに対し、変額保険は自分で運用方針を決めます。
投資経験の少ない方にとっては、それ自体が大きなストレスになる可能性があります。
加入を検討する際には、自信を持てるまで、複数のプロの意見を聞くようにしましょう。
デメリットをどのように回避するか?
運用方針は年代ごとにメンテナンスする
変額保険の多くは、運用方針を決める際に運用先を分散させられます。
投資経験の浅い方は国内外の株式を中心に高利回りのポートフォリオ、50歳過ぎから債券中心の安定的なポートフォリオを組むなど、ご自身の年齢に応じてメンテすることで、リスクをある程度抑えられます。
手広く長期的な運用
変額保険の中には、10年満期などの短い運用期間を設定するものがありますが、加入される方の多くは、20~30年くらいの運用期間を用意します。
運用ラインナップの中から、外国株を含めた株式で手広く運用することで分散投資がなされ、さらに保険料を毎月支払うようにすれば、時間的な分散も可能です(ドルコスト平均法)。
変額保険はどんな人に向いている?
変額保険の特徴を踏まえると、向いているのは「リスク耐性があり、保障が必要な人」と
いうことになります。
運用リスクが契約者自身に帰属しますから、それをストレスに思うなら定額保険がおすすめです。
また、変額保険も保険ですから、保障が十分に備わっていない人におすすめです。
逆に、これ以上保障が必要ない人は投資信託などを検討した方が、純粋に資産形成の観点からは効率がよいでしょう。
変額保険についてまとめ
ここまで、変額保険の特徴とメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、一言でハイリスク・ハイリターンと言っても、それには幅があります。
自分が負えるリスクの総量を知ることが、成功の秘訣なのかもしれません。
しかし、それは決して簡単なことではありませんから、身近なFPさんや保険ショップでまずは相談してみましょう。