アメリカと中国の貿易摩擦は今まさに佳境に差し掛かっています。
今後も何が起こるのかまだまだ予断なりませんが、この影響はアメリカと中国だけでなく、日本や他の国にも大きく影響を与えています。
※追記2018/07/06
アメリカは中国の知的財産権侵害に対する制裁課税を発動しました。産業用ロボット(半導体、航空機関連部品)など340億ドル分に25%の関税が課税されます。
中国も同日、これに対して報復課税を発動することが発表されました。
まず簡単に動きを見てみると、2018年の3月にアメリカが最初に知的財産権侵害や米企業に対する技術移転の強要に対して、約600億ドル相当の中国製品に対して25%の関税をかけると発表。
するとすぐに中国はアメリカからのワインや豚肉などに高関税をかけ、更に2018年の4月に入り他の輸入128品目にも関税をかけると発表。
すると今度はアメリカも、また中国もと言った形で、完全に貿易摩擦に突入しました。そして2018年6日に知的財産権侵害に対する報復課税が発動されます。
※2018/09/18追記
更にアメリカが中国への追加課税として、家具・家電などに10%の関税を上乗せし、来年には25%に引き上げを発表
※2019年5月10日追記
アメリカが2000臆ドル分の中国製品に対して、関税を10%から25%に引き上げる発表しました。
さらに残りの3000臆ドル分に関しても、産業界にヒアリングをした上で25%に引き上げる準備に入ったとしている。
今はこの話題が大きくメディアでも取り上げられれば、取り上げられるほど、投資のチャンスとリスクは近づいてきています。
なぜ投資のチャンスとリスクなのか、それは非常に簡単です。
株価が動きやすい状況にあるからです。
今回はこの米中貿易摩擦が、投資のチャンスなのか?という点について詳しく解説していきたいと思います。
まずは株価はどのようにして動くのか見ていきたいと思います。
株価は群集心理で動く
株価は投資者意識の集合体とも言われています。
例えば良いニュースがあり、ある会社の株価が上昇を始めると、投資者たちはその動きについていこうとします。
その時の投資者たちの心の中では「これに着いて行かないと損するかも」「これは大きなチャンスかも」といった心理が働きます。
そしてそれがそのまま行動に繋がり、その会社の株を買います。
これが群集心理です。
逆に悪いニュースがあった時も同じように心の中では「これで損してしまうかも」という心理が働き、その株を売却してしまいます。
このようにして株価は群集心理によって値動きをします。
その時によく考えて下さい。
良いニュースも悪いニュースも出た時には、先にその情報を掴んでいる一部の人間が、その群集心理を使って、既に売り買いをしている可能性もあります。
もしあなたがそれらに流されそうになった時は注意が必要です。
では素人の私たちがそういった事を見抜くことはできるのか?
それは出来ないと思ってください。
もし出来ていれば、こんな記事を読んでいないかもしれません。
ですので私たちが出来る事は、長期的な視点を持つことです。
多少の事で右往左往していても、素人の我々は何もできません。
仮に投資信託などで資産運用しているのであれば、あなたはその投資信託を購入する時に必ず運用実績や運用責任者の資料や、もしくは直接会って話を聞いているはずです。
それを信じて待つしか方法はありません。
また個人で直接株式投資をしている人も、その企業の事を分析して購入しているはずです。
もちろんニュースの内容にもよりますが、そこはその企業を信じて株を持ち続ける事がその企業の支えとなります。
では今回の米中貿易摩擦の話しに戻りたいと思います。
アメリカと中国の貿易摩擦の株価への影響は
アメリカと中国の貿易摩擦によって、各国の企業は大きく揺れています。
中国のZTEなどは、この貿易摩擦によってアメリカからの半導体の輸入が出来なくなり破綻寸前まで追い込まれています。
※このブログを書いているタイミングでZTEが完全国有化のニュースが入ってきました。まだ正式発表ではないようです。
※2018/07/13追記
ZTEへの制裁は解除されたようです。完全国有化はない模様です。
※2019/05/20追記
中国大手通信企業のファーウェイへ事実上の輸出禁止令が出ました。
これらは日本の株価も影響受けています。
例えばiPhoneを取り上げれば、製品化は中国の工場で行っています。
この中には日系企業だけでなく、世界中の技術が終結して作り上げている商品なので、このまま貿易摩擦が続けば、自然と日本の株価にも影響はあります。
また、この中国との貿易摩擦の結果によっては、日本とアメリカの貿易協定に関する取り決めも大きく左右される可能性もあります。
これは日本だけでなく中国に進出している国は多くあるので、当然のように影響は避けられないと思います。
それだけ今回の貿易摩擦の影響は大きく、メディアの注目度も非常に高いので、結果として株価に対する群集心理は非常に働きやすくなります。
アメリカと中国の貿易摩擦はいつまで続くのか?
今回の米中貿易摩擦は、過去の日米貿易摩擦と似ていると書かれている記事をよく見かけます。
当時の日本は自動車やエレクトロニクス商品のおかげで貿易黒字が拡大していました。
そんな中、日米貿易摩擦は1970年後半に始まり、1985年のプラザ合意によって1990年代にようやく終息します。
今回、トランプ大統領だから中国にクレームをつけたというよりも、アメリカは昔から同じことを繰り返してきていると言えます。
ちなみに日米貿易摩擦は約30年間ほどかけて終息しましたが、今回の米中貿易摩擦は一体何年かかるのでしょうか。
今は当時とは違い情報スピードも、技術イノベーションも格段に速くなっているので、日米の時のように20年、30年もかかるとは考えにくいです。
大方の予想としては10年程度は続くのではないかと言われています。
例えば既に課税対象になった商品を中国国内で製造している会社は、他の国や地域に工場を移設を計画していたりするので、それらが落ち着くのには10年くらいはかかるだろうという見方です。
もちろんその間にプラザ合意のような大きな転換期を迎えるかもしれません。
しかし現時点では中国から、米国の課税を避けるために工場などが出ていく事が大きなシナリオになっています。
まとめ
アメリカと中国の貿易摩擦はチャンスにもリスクにもなるので、慎重に動いてください。
また株式や投資信託等で資産運用している方は、短期での運用ではなく長期的な視線を持つようにしましょう。
今のこのタイミングは、数年後に振り返ってみたらバネを大きく縮めているタイミングなのかもしれません。
力を貯めている状態で、10年後には大きく飛び上がっているかもしれません。
それが分かるのにもまだまだ時間はかかるので、今は我慢の時といえます。
なので無理な行動には出ない事がおすすめです。
もちろん私も含めてです!
ちなみに私は香港で「オフショア保険」での資産運用をしているので、この貿易摩擦の状況によっては、その影響ははかり知れません。
ですが、それもバネだったと思えるタイミングが来るはずです。