老後は年金だけで足りるのか?
→あなたの年金額を知っていますか?まだ確認していない方は「あなたの「お金」と「老後」のことを見える化しましょう」で確認してください。
まずはじめに年金とは何を指すものか、皆さんはご存知でしょうか?
一般的に「年金」と呼ばれているモノには2種類あります。全国民が対象の「国民年金」と、会社員と公務員が入る「厚生年金」があります。以前には公務員が入る「共済年金」がありましたが、こちらは「厚生年金」に一本化されました。
国民年金とは何か?
一般的には「国民年金」と呼ばれているものは、受取る時には「老齢基礎年金」と言います。
「国民年金」制度に加入して、保険料を払い続ければ、老後に「老齢基礎年金」を受け取れると言い変える事が出来ます。
では「老齢基礎年金」はいくらもらえるのか?
20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。
保険料を全額免除された期間の年金額は1/2(平成21年3月分までは1/3)となりますが、保険料の未納期間は年金額の計算の対象期間になりません。
平成29年4月分からの年金額779,300円(満額)引用:日本年金機構
月額にして64,941円になります。
私の場合は20~22歳の就職するまでの2年間は学生の為「免除」されているのですが、これは最近分かった事ですが、この免除期間は上記の40年間にカウントされません。
2年間免除の期間があり、38年しか払えません。試算をすると私が65歳から年金を受け取る場合の老齢基礎年金の金額は年間で733,800円となり
国民年金機構が出している満額と4万円ほど差があります。
この「免除」というのは、払わなくても良いけど「保険料を払った回数には入れないよ」という事になります。
また平成30年9月まであれば5年前まで振り返って保険料を払う事が出来るようですが、それも既にできません。
ただ学生の私が年金を払うか?といったら、何それ?って感じで当時の買いたいモノを優先して、払わなかったかもしれません。
厚生年金とは?
「厚生年金保険」もまた受け取る時には「老齢厚生年金」と呼び方が変わります。
「老齢厚生年金」はいくらもらえるのか?
これは「標準報酬月額」によって変わってきます。「標準報酬月額」とは、交通費や残業代なども含めた金額を指し毎年9月に4月から6月までの月額報酬額によって決められます。
そして「標準報酬月額」によって等級分けされ、納める保険料が決まります。
例えば月額320,000の報酬(給与)を受け取っている場合は、20等級の310,000~330,000の枠に入るので毎月29,280円の保険料を納めることになします。
引用:平成29年9⽉分(10⽉納付分)からの厚⽣年⾦保険料額表
この納めた保険料によって「老齢厚生年金」の金額は変わります。
では実際に「老齢厚生年金」は幾らくらいもらえるかと言えば
厚生労働省によると平成29年の平均受給額は147,927円となっています。
もしこの厚生年金のシュミレーションをしたい人は「ねんきんネット」に登録すれば、ネット上で簡単にできます。
→登録に必要なものなどコチラに書いてあるので、ご参考にしてください。
老後は年金だけで大丈夫?
厚生労働省が発表している
夫婦二人でもらえる年金額はおおよそ221,200円だそうです。
※厚生年金は、夫が平均的収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)42.8 万円)で 40 年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯が年金を受け取り始める場合の給付水準で、本来水準の計算式によって算出
(平成29年1月27日厚生労働省発表「平成 29 年度の年金額改定について」より)
結構もらえるかもと思った方と全然もらえないと思った方それぞれかと思います。
年金額がある程度分かれば、自分の老後の生活がイメージできるかと思います。
例えば、今は家賃15万円のマンションに暮らしているが、もし老後も同じマンションに住んでいた場合、収入は年金の22万円では手元に残るのは7万円、夫婦二人で月7万円で暮らせるか?
もし旅行にも行きたい、外食もしたい、洋服も買いたいとなったら7万では足りなくなってきます。
その時に、年金以外の収入を確保する必要があります。
方法は色々と考えられます。
- 60歳以降も働き続ける
- 物価の安い海外に移住する
- 投資をしてそのリターンで収入得る など
この中で一番で現実的なのは、働き続けるという事になります。高齢化社会の日本では、今後当たり前になると思います。
海外への移住も今は増えていますね、テレビでも良く取り上げられています。
これも今後もっと増えると思いますが、物価の安いアジアも少しずつですが物価は上昇しています。もしかしたら後10数年後には、今の日本と変わらないくらいになっている可能性もあります。
長期、複利、分散、積立
そして最後の「投資」です。
これはこれは今話題の仮想通貨などではなく長期で複利運用できるものをお薦めしたいと思います。
今はNISA、積立NISA、iDeCoなど利益を免税されながら投資が出来る環境を国が用意してくれています。これは国も年金に頼らず、自分で自己の老後を守ってください。と言ったメッセージだと思います。
ただいざ始めようとしても何から始めれば良いか分からない方
もし投資が素人で、すぐに始める場合は「分散投資」が前提です。そして「積立」をしていくのが最も効果的です。
分散とは、いち企業の株や、不動産だけを選択するのでなく国内株、海外株、不動産、国内外の国債などに分けて投資する事です。
今は売られている投資信託などには、既に分散したものをパッケージにして売っているモノもあるので、自分のリスクの許容度を考えて選ぶようにして下さい。
但し今後の株価がどうなるのか、不動産価格がどうなるのかなどは一定の予想は立てれるが、絶対に成長すると言い切る事は誰もできません。
ですが言えることは、世界経済は過去を振り返ると常に成長を続けてきました。
例えば日本が成長していないときは、日本以外のアジア(中国、インドなど)が成長してきました。もし日本だけに絞って投資したらマイナスになっていたかもしれないが、海外株(アジア株)などを入れておく事でそこをカバーもしくはそれを超えるリターンがあります。
こうしてリスクを分散することが、重要です。
ドルコスト平均法
そして「ドルコスト平均法」という言葉はご存知出ようか?これが一定額の積立にあたる考え方になります。
「ドルコスト平均法」とは、株価は、その企業の業績によって上がったり下がったりします。
例えば、ここに100円で買えるA社の株があります。
A社の業績が良くなるとこの株価は上がり、120円になります。また悪くなると株価は下がり、80円になります。
この時に毎月一定額の投資した場合、例えば月に1000円
業績が良いときは、8.3株(1000÷120=8.33・・・)
業績が悪いときは、12.5株(1000÷80=12.5) 購入できます。
株価が上がっている時は少なく、下がっている時は多く買えます。
投資額2,000円、株の所有数:20.8株
その後に株価が100円になった場合、あなたの資産がいくらになるか
20.8株 × 100 = 2,080円
2,000円の投資額で、80円(4%)のリターンを得ることが出来ました。
このように一定額を定期的に投資していくことで、高値で株を購入するリスクを減らすことができ平均の取得金額を押さえることが出来ます。
(逆に安値の時に大量には買えない)
もし過去と同じように世界経済は成長し続けると考えると「分散投資」し、更に一定額の「積立」によって高値での購入リスクを押さえる事で、高い確率でリターンを得ることが出来ます。
もちろん私も今後の経済の事は分かりません。ですので絶対利益が上がるとは言えませんが、利益を得る確率は確実に高くなります。
複利で長期の投資
では先ほどの例で取り上げた4%のリターンは高いのか?
例えば銀行の金利は0.01%程度がほとんどで超低金利と呼ばれ、お金を置いていてもほとんど増えません。
例えば金利0.01%で100万円を銀行に預けた場合
1年後に入ってくる利息は100円になります。ここから税金が約20%取られるので、80円になります。コンビニのATMなどで引き出したときに手数料が取られてしまうと、あっという間にマイナスとなります。
仮に年金プラスアルファを考えるのであれば、銀行に置いておいても増えないということになります。
そこで投資でのもうひとつのポイントですが、複利で長期(最低5年から10年以上)に運用する事です。
複利とは運用によって得られた利益を再投資する事
先ほどの例で行くと、年利4%のリターンが望めるようであれば4%の利益を再投資に回すことになります。
例えば、毎年4%の利益が予想される投資信託などの商品に毎月1万円ずつ投資した場合
- 5年後:投資額60万円、利益64,045円
- 10年後:投資額120万円、利益271,965円
- 20年後:投資額240万円、利益1,250,827円
20年後には2倍の金額になります。
→もしこうした複利での運用する商品に興味がある方は「年金代わりに老後資金1億円をオフショア保険で作れるか?」もご覧ください。
自分の老後をイメージする
ここまで投資について書きましたが、最終的には自分達の老後の生活をどう過ごしたいか?
そこがハッキリしていないと、何を始めれば良いのか決まりません。
例えば、今30歳で収入は月30万円、老後の生活は年金以外に1億円無いと生活ができないというのであれば複利の長期運用だけでなく、別の投資も考えなくてはいけません。もしくは長期の複利投資であっても一定額以上の準備が必要です。
もし2,000万円は最低でも用意したいというのであれば、年利4%で毎月2万円投資すれば、35年後(65歳の時)には2,000万円(元金840万円)は越える計算になります。
自分のゴールとなる金額や生活のシーンが決まらなければ、そのゴールまでの方法は作れないのです。
是非、ご家族と老後の生活を想像しながら話し合い、生活費はいくら必要になるのか?自分達の年金額で足りない部分をどのように増やしていくのか?一緒に考えて頂ければと思います。