iDeCoで運用できる投資信託のひとつである「三菱UFJ国際-三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」について
特徴、手数料、運用実績など詳しく解説します。
三菱UFJDC新興国債券インデックスファンドの特徴
三菱UFJ国際-三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンドのファンドの目的は「新興国の債券市場の値動きに連動する投資成果をめざします」とあります。
日本の債券はマイナス金利の影響で長らく利率が極めて低い状況になっています。
日本を代表する債券といえば国債になります。
個人が買い求めることができる個人向け国債の利率を見てもわかるとおり、ほぼ最低金利の0.05%が続いています。
そんな中、新興国の債券は10%近い利率を出している債券もあります。
なぜ、新興国の債券はそんなに利率が高いのかというと、それだけリスクが高いからというのが結論になります。
リスクにもいろいろありますが為替リスクとカントリーリスクが主なリスクになるでしょう。
流動性リスクなどで資金化できないというリスクもあるかもしれません。
新興国は政情不安や経済不安により新興国自身の自国通貨が先進国、特に日本の通貨よりも安くなることがしばしばあります。
日本は、少子高齢化などの問題は抱えていますが世界全体を見渡せばとても安全で経済的にも安定している国になります。
その上、島国という地理的条件や憲法9条により明文化されているとおり戦争リスクもきわめて低い国になっています。
そんな安全な国なので経済的に不安定になるときほど日本の通貨である円が買われます。
ではそのお金はどこから来たものかというともともと、平時はリスク資産として買われていた新興国の株や通貨から移動してきた資金も多数あります。
需給関係上買われる商品や通貨の価値は高くなり、一方で売られる通貨の価値は安くなるので売られれば売られるほど通貨の価値が大きく下がることになるのです。
日本円を使っているときにはあまり気にすることはほとんどないかもしれませんが、その国の財政事情などが著しく悪くなり破綻してしまうこともあります。
この場合、その通貨の価値は無価値、ないしはきわめて低い価値しか存在しないことになります。
以前、芸能人が旅番組でアフリカのある国で1万円札を現地通貨に両替したらダンボール箱一杯の通貨を渡されたということが放送されていました。
債券は国や会社が借金をするために発行する借用証のようなものです。
その国の財政事情はその国の信用力に直結するので国債を売り出しをしても、それ相応のリスクを負うので、より多くの利息をつけなければ売れません。
これらの理由により新興国の債券の利率は高く設定されています。
そして「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」は新興国の公社債に対して投資を行い、さらに為替ヘッジを行わないということなので、為替の影響を受けるということになります。
為替の影響を受けるということは良い意味でも悪い意味でも、両面の影響を受けるのでハイリスク・ハイリターンな商品といえるでしょう。
この投資信託の中で最も投資を行っているのがメキシコペソ、ブラジルレアルでともに10パーセント以上の比率を占めています。
そして、上位10位の債券の銘柄はいずれも国債で締められています。
もともと新興国の通貨で運用されているので利率は高く、債券の中でも少しはリスクの低い国債に投資されています。
運用手数料について
iDeCoで運用する商品はほとんどが購入手数料は無料です。
そのほかの手数料では分かりにくいのですが信託報酬があります。
信託報酬は投資信託を運営するための費用になり日々の信託財産より差し引かれます。
費用は主に運用会社や販売会社に支払われます。
基本的に投資対象が多い投資信託ほど分析などにかかる費用がかかり、総じて信託報酬も高い傾向にあります。
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」の信託報酬は0.5616%になります。
また、売却時にかかる費用である信託財産留保額はかかりません。
iDeCoという長期で運用する商品になるのでできるだけ費用が少ないに越したことはありませんね。
価格推移について比較
2010年10月に設定されて2011年10月に8800円台をつけ
その後上昇をし2014年11月に14300円台をつけてから大きな下落や上昇を続けているので直近の価格だけで言うと横ばい状況といえるでしょう。
そして、2019年4月12日現在では12720円となっています。
高値からだと1割ほど下げているということと、最も下げている時点では設定日の10000円から1割以上下げているのでハイリスクハイリターンといった意味が分かるかと思います。
大和-iFree 新興国債券インデックスも新興国の債権に投資をする投資信託になります。
設定日は2016年9月なので半年くらいの運用きかんですが2019年4月12日現在11404円となっております。
運用期間が短いというのもありますが運用リターンで言うと14%ほどで、「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」の27%ほどのリターンを現在誇っている状況です。
費用については「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」よりも安くなっています。
具体的には申込手数料、信託財産留保額なしで信託報酬は0.2376%となっています。
それでも高い基準価格を維持しているということは、それだけ運用成果が良いということでしょう。
まとめ
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」は新興国の債券に投資対象とする投資信託であり、為替リスクもあります。
ある意味、国内の株式に投資をするよりリスクがあるかもしれません。
日本ではめったにないデフォルトリスクという財政破綻リスクというのも念頭に入れなければいけないかもしれません。
でも、それだけのリスクがあるということはそれだけのリターンが見込める可能性もあるので実際にiDeCoで運用を決めるかどうかは契約者の判断に委ねられるところになります。
ただ、iDeCoは公的年金の補助的な意味で投資をする方もいるので、長期で資産運用を考えるのであれば、リスクをとってより大きなリターンを狙うのもありかもしれませんね。
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の愛称になります。
年金という名前がついているように60歳までの間に毎年一定金額を支払い続け、投資信託や保険、定期預金などで運用し、60歳以降に受け取れるという制度です。
iDeCoの特徴は年金契約者自身がどのような運用方法を行うかを自身が選択できる点です。
公的年金や厚生年金基金などは専門の機関が運用を行います。
しかし、個人が運用手段を選択することでその運用の結果次第では将来受け取れる金額が大きく変わる可能性があります。
預金から投資へではありませんがかなり自己責任の強い制度といえます。
公的年金だけでは豊かな老後の生活を送ることは難しいかもしれません。
あくまで公的年金をベースにして補助的な意味でiDeCoを利用するのも良いでしょう。
理由は、年金というメリットとして税額控除にも使えるからです。
そして、受け取り時の税制面でも優遇されています。
通常、投資などで運用し、利益が出たらその利益に対して税金がかかってきます。
投資信託であれば利益に対して20.315%(所得税15.315%、住民税5%)かかりますが、iDeCoの運用結果に対しては税金がかからないというメリットがあります。
私がおすすめするネット証券はSBI証券です。
私もSBI証券でiDeCo口座を持っているのですが、SBI証券も楽天証券 も手数料に差はなく、どちらも業界最安値を競い合ってます。
それでも私がSBI証券をおすすめする理由は、メールや電話での問い合わせに対して一番対応が良かったからです。
これから長く付き合う証券会社なので、こうした点は非常に重要です。