今回は私が実際に自宅を売却をして気付いた事、知った事についてご紹介したいと思います。
まず私が自宅を売却するに至った経緯は、仕事で海外に駐在することになったからです。
賃貸で貸し出すことも検討したのですが、駐在が決まってからの1年間は営業先への挨拶や何やらにバタバタと過ごし、賃貸について深く考える事も出来なかったので、売却することになりました。
売却すると決めたら、まずは仲介の不動産会社の選定を開始、ちなみに仲介にはいろいろな契約方法があります。
仲介の不動産会社との契約は「媒介契約」と言い。
媒介契約には
- 「専属専任媒介」
- 「専任媒介」
- 「一般媒介」
の3種類があります。
「専属専任媒介」は全て1社の不動産会社に依頼する事になり、他の不動産会社を介すことは出来なくなります。
買い手もその不動産会社が連れてきて、契約などを行う。
「専任媒介」は1社の不動産会社以外に、自分で買い手を探してきて不動産会社を通すことなく契約することが出来る。もちろん不動産会社が買い手を連れてきて契約することも出る。
自分で買い手を探せる事以外に、この2つにはほとんど変わりはありません。
「一般媒介」これは複数の不動産会社と契約する事ができもちろん自分で買い手を探してくることもできます。
ほとんどの場合は、「専属専任媒介」か「専任媒介」で不動産会社と契約することが多いかと思います。
不動産会社側の立場に立てば、契約の際にこれらを勧められるのは、手数料が売り手からの手数料と、買い手からの手数料、両方から取れる可能性があるのは「専属専任媒介」「専任媒介」なのだからです。
不動産会社の選定
不動産会社の選定には、一括で複数社に連絡を取ってくれるサイトから行いました。
ただ正直こちらはあまりお勧めしません。
というか、どの会社に一括で送られるのか確認して行って下さい。
なぜかというと、あまり信頼出来ないような会社にも同時に送られてします為、私の場合は不動産会社を決めた後にだいぶ遅れて連絡が来たり、急に迷惑メールが増えたりしました。
売却後も定期的にメールが来たりするので面倒です。
とういう事でその中から3社に絞り、その後3社と自宅でミーティングをして販売価格や計画書をまとめた、簡単なプレゼンを各社に行ってもらいました。
各社それぞれの色
1社目は大手のM不動産です。
ここは私たちの希望額よりもかなり下回る金額での販売開始を提案してきました。
もちろん私たちの金額はあくまで希望なので、もしそれで売れたらかなり嬉しい金額でしたが、もう少し近くの金額で売却できないかと思いました。
ウチに来たM社は体育会系のイメージで、営業の担当と真っ黒の肌の支店長が一緒にプレゼンに来ましたが根性論や人情論が織り交ざりながらのプレゼンでした。
2社目はこちらも大手のN不動産
N社は我々の希望額でも販売できる可能性を説明し、また専属専任で契約した場合はステージングと言って、自宅をまるでホテルのような空間にするためにテーブルの上にクロスを引き、シルバーセットと高級そうな皿、ワイングラスを並べベットルームもまるでホテルのように
そして花やインテリアを持ってきて、キレイな家を演出してくれるというものです。
このステージングをすることで、契約率が高くなるとの事
人としては、今までの販売のデータやこれからの予想など数字を基に説明している感じはM社とは真逆のインテリ系
そして3社目ですが、ここは私はあまり聞いたことない会社でしたが、都内のみでの展開でその実績は高いとの事だったのでプレゼン依頼したのですが、提案内容も販売価格も我々の求めているような内容ではなかったので候補から除外しました。
そして妻とも話し合った結果、N社でお願いする事にしました。
選定理由は
- ステージングで契約率があがる事
- 希望額での販売の可能性が高いという事
- 海外への販路もあり、情報をアジアに発信できること
当時は中華系の方が日本の不動産を買いあさっていると、メディアでも多く取り上げられた、少し後ぐらいでしたがアジアにも情報が行くことは必要だと思いました。
ステージングの準備は意外と大変
N社との契約と同時にステージングをする為に家の中を見てサイズを計ったりして
後日、チラシやHPに掲載する写真撮影の際にステージングにより、まるでホテルのような高級感のある自宅に大変身!
360度撮影なるモノも登場し、ハイテク化に驚きました。
そして撮影から数日ですぐにHPに掲載され、1週間後にはチラシに私の家が掲載されました。
するとすぐに問い合わせが数件、その内2軒が内見に早速ステージングの効果が現れたと嬉しく思っていましたが契約までは至らず
その後も数件の内見はありましたがなかなか決まる事は出来ませんでした。
タワーマンションを利用した相続税対策
また当時は相続税対策として、タワーマンションが非常によく売れていました。タワマンは戸数が多いので、土地の持分は按分されると少なくなります。
そして不動産には「相続税評価額」というものがあります。
その評価額は高層階であろうと低層階であろうと全て同じ額でした。
例えば評価額が3000万だが、1億円で販売している物件があると我々世代の夫婦は、まず親にマンションを買ってもらいます。
※実際はその夫婦が住みます。
そして親が亡くなり相続の際にマンションを売っても、そのまま住んでも、相続する側には評価額に対しての税金しか掛からないので、現金で1億円の相続をするよりも相続税を押さえる事が出来ます。
その点では、私の物件は弱く戸数も少なく、階数は低層階ではないが、高層階でもない
そういった相続税対策を考えている人には目も向けられなかったのは欠点でした。
その後も一週間ごとに内見は入ってくるがなかなか決まらず、不動産会社からも値下げの提案がありました。
不動産会社の説明では、発売当初は中古物件の戸数は少なかったが最近になり増えてきたことで、需要と供給に変化があり不動産価格が全体的に落ちてきているとの事
状況の変化はもちろんあるので対応しなくてはいけないので、それはしょうがないかと思い受け入れましたが、ここからは雪だるまの方式でじわじわと値段を下げることに
更にはステージングは毎回セットして、もちろん私たちの生活もあるので片づけてを繰り返し
最初の頃は不動産会社も一緒に手伝ってくれましたが、後半にはもう出来るでしょと言わんばかりに・・・・
販売価格もついには、M社が最初提案していた金額とほぼ同額程度になりました。
もしかしたら最初からM社にお願いしていれば良かったのかもと頭を過ります。
中華系の方が購入
そうこうしている内に出国の時が迫り、結局は私が日本にいるうちに売る事は出来ませんでした。
海外に移ってからは不動産会社にカギを預け、手続きなどは自分の親に委任して出国しました。
運よく出国後すぐに内見した中華系の方が、その後契約までたどり着き、ちょっと重かった気持ちも少し晴れましたが、値段交渉がかなり激しく入り、元々の値段からかなり下がった金額になってしまいました。
この時、私は少しづつですがN社に対して苛立ちを覚えてました。そもそもこちらの希望額での販売を提案し専属専任にしたのに、結果としてはかなり値下げしました。もし最初の提案が無ければ、N社とは契約していなかったかもしれません。
その事も含め、手数料についての交渉を持ち掛けました。端数の部分は切り捨てるのが限界との事で、ここまできての値下げ交渉だったので、それだけでも引いてもらうようにしました。
ちなみに買主さんは私がファミリーで住もうと思っていたところに一人で住むようで、お金があるところにはあるもんだと思いました。
その後は、契約の為の書類などを揃え、日本でやらなくてはいけない事は両親にお願いして、販売開始から約半年かかり、ようやく売却することが出来ました。
これから自宅の売却を考えている人は仲介手数料の交渉を!
もちろん今回不動産の売却は初めてだったので、不動産会社の仕組みをよく理解していませんでした。
もしこれから自宅を売却する計画がある人は、事前に仲介手数料についての交渉は可能であればしておくべきだと思います。
例えば最初に一定の売却価格を切って販売となった場合などを想定して、手数料の交渉をしておけばと良いかと思います。
もしこれを不動産投資と考えた場合、手数料は出来るだけ下げたいモノです。
不動産会社の手数料は販売額によって異なりますが、今回の私の物件では3%でした。
この手数料はあくまで上限で、下げることが出来ない訳ではありません。
確かに販売の為に不動産会社はチラシやホームページに載せたり、今回はステージングをしたり
販売の為のコストはかかっていますが、最初のプレゼンの前後に、手数料の話しをして無理の無い販売計画を考えてもらう事が必要かもしれません。
私の場合は無理な販売計画だっと考えられます。
最初は不動産会社も良い顔をして「その値段で売れる可能性はあります」なんて言っていても、売れなければ値段を下げるしかありません。
もし仲介手数料の交渉をしていれば、事前により現実的な売却金額の提示などがあったかもしれません。
あまい言葉に誘われ選んだ不動産会社で物件が売れなければ、あとは不動産会社の言われるがままに物件の値段を下げるしか、一般の我々には方法はありません。