これを読んでいる皆様の中には、ご自身で資産運用をされている方も多いのではないでしょうか。
どうせお金を貯めるのであれば、効率よく貯めて殖やしていきたいですよね。
でもお金を殖やしたいけれど、あまり大きなリスクを背負いたくないというのが、ほとんどの人の本音ではないでしょうか。
生命保険は、比較的安定した資産運用といわれていますが、一定量のリターンを確保しつつ、リスクの量をコントロールできるような方法はあるのでしょうか。
それは円建て、ドル建ての生命保険を同時加入して、レバレッジを利かせる資産運用です。
生命保険でレバレッジ利かせる資産運用とは
リスクを軽減しつつ保険料にレバレッジを利かせるには、2つのプランに加入しましょう。
「生命保険は1本」なんてルールはありません。
具体的には、円建て終身保険(または円建て年金)と外貨建て終身(または外貨年金)の2種類です。
いわゆる「分散投資」のようなものです。
円建ては返戻率(リターン)が小さい代わりにリスクが小さく、将来受け取れる金額が予測しやすいのが特徴です。
一方で外貨建ては為替変動の不確定要素があるのでリスクは大きく、その代わりに返戻率が高く、また受け取り時に円安に振れれば、さらにリターンが大きくなります。
ここで保険料(=自身の手持ち資金)にレバレッジを掛けるのは外貨建ての方で、リスクをコントロールするのが円建ての方です。
つまり、同時加入であってもリスクをあまり取りたくない人は、円建てに入れる保険料の割合を増やし、リスクをある程度考えられる人は外貨建てに振ればいいのです。
円建て終身保険と外貨建て保険のメリット・デメリットまとめ
**現在の予定利率が35年間継続したという前提で計算しています。
円建て、ドル建てのミックスのプラン例
設定:30歳加入、65歳解約(1豪ドル=82円で計算)
上記のプランは、プランA(以下A)が円建ての低解約返戻金型終身保険(低解終身)、プランB(以下B)が豪ドル建ての低解終身に同時加入した例です。
AとBは保険料の総額500万円ずつ、合計1,000万円にしていますが、リスクとレバレッジ効果はこの1,000万円の配分次第なのです。
Aは典型的な円建ての低解終身で、Aの割合が高いほどプラン全体でのリスクの総量は小さくなり、同時にレバレッジ効果は小さくなります。
Bは外貨建て終身の典型的な例ですが、保険料を払い終えた(=低解約返戻金の期間満了)あとの、解約返戻金の立ち上がりが鋭く、為替変動がなければ65歳時点で解約しても160%の返戻率が得られます。
Bに入れる保険料が多いほど、レバレッジ効果は大きくなります。
為替相場次第で返戻率が変わりますが「65歳時点で解約」と決め込むと、もし円高に振れていたら受取額が目減りしますので、「65から70歳までの間で解約」と、プランに少し幅を持たせるといいでしょう。
この5年間は円建て終身を解約した返戻金+(あれば)退職金+公的年金+αで乗り切れるよう、資金計画を練っておきましょう。
円建てと外貨建て同時加入のメリット・デメリット
メリット1、保険料にレバレッジをかけられる
レバレッジ効果の源泉は外貨建ての方で「高い予定利率」「為替変動」がその根拠です。
予定利率とは銀行でいえば利息のことで、保険会社が保険料を原資に資産運用する際の利率です。
図②の通り、生命保険の中でも外貨建ては図抜けて高い利率での運用が可能です(*)。
為替変動は損失のリスクでもありながら、適切に管理すれば返戻率を跳ね上げるチャンスでもあります。
保険料支払期間に円高に振れると保険料が下がりますから、その際に先々の分までまとめて保険料を支払えます(前納)。
セール品をまとめ買いするようなものです。
解約予定時期に円安に振れると、受取金額が増えますから、そのタイミングを見計らって解約することと合わせて、外貨建て保険でも為替差益を生むことができます。
メリット2、リスクの総量を抑えられる
円建て終身は、将来受け取れる金額が決まっているので、資金計画を立てやすいのが利点です。
「最低限ほしい金額は円建て」と決めて準備することで、将来生活資金が足りなくなるリスクを抑えることができます。
デメリット1、外貨建て1本で加入するよりは返戻率が下がる
投資の世界では「リスクとリターンは比例する」が鉄則で、生命保険でも同じです。
これはリスク回避の円建てとトレードオフです。
この点をデメリットに感じる人はリスク耐性が高い傾向にありますから、外貨建てや変額などに絞ってハイレバレッジの運用がおススメです。
デメリット2、保障が過大になる可能性がある
生命保険はあくまで「保障性の金融商品」です。
1,000万円を投じると、その分の返戻金の権利と同時に保障まで付いてきます。
純粋に資産運用という観点では余計な機能ということもできます。
円建てドル建ての生命保険を同時加入したレバレッジを利かせる資産運用のまとめ
ここまで、円建てドル建ての生命保険を同時加入したプランを見てきましたが、今回のようなプランを検討する際は専門家と話し合いましょう。
というのも、AとBの割合はその人のリスク耐性次第で何通りもあるからです。
場合によっては、これに米ドルのプランや一時払い終身を追加(プランC)ということもありえます。
そして、セカンドオピニオンを求めましょう。
それは、専門家である生命保険募集人ですら、資産形成分野に疎い場合があるからです。
資産形成分野に精通した募集人を見極めるポイントの1つは、同種の商品で異なるプランを作り、組み合わせられるかどうかです(他にも、税制に詳しいなどありますが)。
実務的にも、同じ商品で微妙に機能が異なるプランに3本加入しているお客様もいらっしゃるのです。
専門家と一緒に、ご自身にぴったり合ったプランで、保険料にレバレッジをかけていきましょう。
保険の相談先はこちらがおすすめです。