DCニッセイJ-REITインデックスファンドAは、SBI証券で取り扱われている確定拠出年金であるiDeCoの採用銘柄になります。
確定拠出年金とは、運用手段を年金者自身が選定し、その結果に応じて年金額を受け取れる仕組みの年金になります。
給付額が確定している確定給付年金と区別され、近年急速に浸透している制度になります。
政府も「貯蓄から投資へ」という言葉を後押しするということで、iDeCoは多くの証券会社、金融機関でも取り扱っています。
そして、このDCニッセイJ-REITインデックスファンドAは、SBI証券でのiDeCoに採用されている投資信託の中で、購入人気ランキングで1位(2019年4月1日現在)になりました。
今回は「DCニッセイJ-REITインデックスファンドA」について詳しく解説します。
iDeCo「DCニッセイJ-REITインデックスファンドA」の商品概要
具体的にDCニッセイJ-REITインデックスファンドAは、どのような運用を行っているかというとJ-REIT、つまり上場不動産投信に投資しています。
不動産投資信託には大きく二つあります。
ひとつはオープン型の投資信託で、これは1日に1回しか値がつきません。
そしてもうひとつはJ-REITと呼ばれるものです。
株式と同じように売買することができ、上場しているJ-REITに投資しているのです。
運用方針は「国内の不動産投資信託証券(J-REIT)に投資することにより、東証REIT指数の動きに連動する投資成果を目標とするインデックスファンドです。」とあります。
引用:https://www.nam.co.jp/fundinfo/dcnjrif_b/main.html
投資信託の運用方針には大きく二つのタイプがあります。
アクティブ運用とインデックス運用です。
アクティブ運用というのは、その投資信託が目指すベンチマーク以上の成績を出すことを目標としています。
ベンチマークとは、いわゆる指標や目標だと思っていただければと思いますが、ここでは東証REIT指数がその指標になり、東証REIT指数を超えるような攻撃的な運用を行うのがアクティブ運用になります。
反対にインデックス運用は、やや保守的に指標に連動するような運用を行うものになります。
このように表現するとアクティブ運用のほうがとても収益が得られるように感じるかもしれませんが、常に変動をしている市場の世界では指標以上の利益を上げるのはプロのファンドマネージャーでもなかなか難しいものです。
それよりも堅実に指標に連動するようにしたほうが利益もそこそこな代わりに損も限定され、リスクを抑えたい年金には向いているかもしれません。
値動きと採用銘柄について
2016年10月に設定されてから割と堅調に推移しています。
特に2018年に入ってからはほぼ右肩上がりといっても過言ではありません。
その証拠に設定来の高値は2019年3月27日現在の11,839円です。
しかし、設定来から順風満帆かといわれるとそうではありませんでした。
2016年10月に設定されてから2017年1月には10500円以上の基準価格をつけましたがその後、下げました。
2017年7月までは下げ基調で2017年7月14日には9306円をつけました。
そこからは反動で上がり続けています。
チャートなので少ない変動であっても如実に変化が分かりますが、他の投資信託などと違い、そんなに変動に幅がないのがこのDCニッセイJ-REITインデックスファンドAの印象です。
もっと値動きの荒い商品ですと最悪、初期の基準価格(大体10000円くらいからスタートしますが)の半分くらいになったりすることがあるので、それに比べるとやや緩やかな値動きです。
DCニッセイJ-REITインデックスファンドAの投資銘柄
DCニッセイJ-REITインデックスファンドAが投資しているJ-REITを紹介します。
全体の7%強ほどを占めているのが日本ビルファンド投資法人です。
こちらは三井不動産をスポンサーとするオフィス特化型のJ-REITです。
投資対象物件は東京都と都心のエリアのオフィスを中心に、全体の75%以上を占めています。
東京の優良物件が集まり、さらに東京という経済の中心地であるという安心感があります。
その安心感に支えられるように業績も順調に推移しています。
日本ビルファンド投資法人の当期純利益は多少のばらつきはありますが、前期比からはプラスで推移していますし、さらに配当金は2016年6月以降から常にプラスになっています。
実際の数字で言いますと2016年6月の配当金は8397円に対して2018年12月は10283円。
この2年半ほどで2割ほどアップしている計算になります。
このようなすばらしいJ-REITの銘柄をポートフォリオに組み込んでいることからも運用成績のよさがうなずけます。
手数料などのコストの比較
iDeCoという長いスパンで考える投資信託のため、手数料などの費用は少ないに越したことはありません。
というのは短期で運用するのであれば信託報酬など、投資信託を持ち続けることで発生する費用をあまり考える必要はありません。
短期で売り買いであれば売買手数料の方が重要になってくるからです。
その点、長いスパンで買い続け保有し続けるということが前提になるので、いずれの手数料も安くないと運用事態の成績に大きく響いてくることもあります。
仮に成績が良くても手数料を加味するとマイナスになってしまうということはよくあります。
では、同じような商品である「明治安田J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)」と比較してみます。
こちらのファンドもまた国内J-REITを主に運用します。
買付手数料がかからないノーロードと呼ばれる投資信託なので、買付に関しては同じなのですが問題は信託報酬です。
明治安田J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)が0.972%に対してDCニッセイJ-REITインデックスファンドAは0.27%以内なのです。
両者の差はおよそ0.7%です。
100万円の運用では7000円の差額が生まれるということです。
これは1年間にという意味なので、数十年単位の運用が求められるのであればその額も大きく影響するといいえます。
また解約時には通常の投資信託には信託財産留保額というものが取られます。
これは証券会社が取る費用ではないので手数料という言い方はしないのですが、投資家にとっては同じ費用には変わりないので少ないに越したことはありません。
具体的には投資信託を解約する際に発生する手数料をすべての受益者、この投資信託に投資している人に負担させるわけには行きません、あくまで自己の都合で売却を行う人に負担させるというのがルールなので、この売却を行った人に負担させる名目で信託財産留保額といいます。
この金額もDCニッセイJ-REITインデックスファンドAはありませんが、明治安田J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)は0.2%かかります。
これは金額が多くなってくる解約時に最も負担が増えます。
それはiDeCoはいわゆる積立形式で数十年運用をするからです。
だからこそなるべく低い運用で済ませられる商品がよいのです。
明治安田J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)との比較
DCニッセイJ-REIT | 明治安田J-REIT | |
買付手数料 | ノーロード(0%) | ノーロード(0%) |
信託報酬 | 0.27%以内 | 0.972% |
信託財産留保額 | 0% | 0.2% |
まとめ:iDeCoのDCニッセイJ-REITインデックスファンドAの値動きと手数料比較
DCニッセイJ-REITインデックスファンドAについての商品概要、手数料や値動きについて解説してきました。
確定拠出年金は、年金という名前がついていてもやはり運用結果によっては給付金額が変わるので怖いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、リスクは分散してこそ効果があるものではないでしょうか。
一般の公的年金のほかにプラスアルファで考える投資と考えればそんなに悪くはないといえるでしょう。
私がおすすめするネット証券はSBI証券です。
私もSBI証券でiDeCo口座を持っているのですが、SBI証券も楽天証券 も手数料に差はなく、どちらも業界最安値を競い合ってます。
それでも私がSBI証券をおすすめする理由は、メールや電話での問い合わせに対して一番対応が良かったからです。
これから長く付き合う証券会社なので、こうした点は非常に重要です。