今年(2019年)に入り香港のIFAから問い合わせをもらう事が増えてきました。
私の記事が検索上位に表示されるので、そこから問い合わせをもらっています。
おかげで香港の生の情報が多く入るようになりました。
そこで今回は、以前にも書きましたが香港HSCB銀行の口座開設について書きたいと思います。
香港HSBC銀行の口座開設はもう不可能か?
まず初めに不可能か?の答えはどちらでもない、50%の確率になります。
この確率を高めるには幾つかの要素があるので、こちらにまとめておきます。
- 初回の預入金額
- 英語、中国語のコミュニケーション能力
- 居住地
これらを解説していく前に、現状を簡単に説明しておきたいと思います。
2018年の夏ごろから、香港金融機関(特に保険会社)やHSBCなどは日本人向けの契約や口座開設に関して、かなり厳しくなっています。
保険会社は今までも減り続けていましたが、2019年6月19日現在で日本に住んでいる日本人が契約できる保険会社は2社になってしまいました。
またHSBC銀行もまた口座開設の基準を、更に厳しくしているようです。
保険会社はさすがに会社の決めたことを担当者レベルで変更することはできないので、そのまま受け入れるしかありません。
ただHSBC銀行に関しては、日本人の口座開設を受け入れないと言っている訳ではないので、担当者レベルで多少の違いはありますが、口座開設できる可能性が残っています。
そこでその可能性を更に高くするために何が必要か、これからご紹介していきたいと思います。
1、初回の預け入れ金額
まずはHSBC銀行で開設できる口座の種類を確認しましょう。
種類 | 預金残高 | 維持手数料 |
プレミア(Premire) | 1,000,000HK$ | 380HK$/月 |
アドバンス(Advance) | 200,000HK$ | 120HK$/月 |
スマートバンテージ(SmartVantage) | 5,000HK$ | 60HK$/月 |
もっとも上の種類がプレミアで預金残高が100万香港ドル(約1500万円)
次にアドバンスで20万香港ドル(約300万円)
最後にスマートバンテージが5千香港ドル(約75000円)
※2019年7月31日追記
2019年8月1日からアドバンス、スマートバンテージの維持手数料が撤廃になります。
口座を開設する時に口座の種類(ランク)を選ぶ事はでき、初回の入金額などは変わりませんが、その後の口座維持費が無くなったことで、アドバンス、スマートバンテージ差があまりなくなったように感じます。
ただ今まで通りアドバンスであれば窓口業務の場合は専用レーンがあるので、スマートバンテージよりも少し優遇されていると感じでしょうか。
ちなみに私は現在一番下のスマートバンテージで、先日香港にいって入金をしてきたのですが、朝早くに行ったのも影響したのか、アドバンスの専用レーンと一般(スマートバンテージ)のレーンで並んでいる人数は大きく変わりませんでした。
おそらく香港在住の多くの人が既にアドバンスになっているので、サービスの差をつけずらくなっているのかと思います。
そう考えると口座維持費用の撤廃もなんとなく分かる気もします。
話しは戻りますが、これらの初回にどの種類の口座を開設するかによって、開設の難しさが違います。
プレミア(約1500万円)がもっとも楽ですが、海外送金の方法も含めて考える必要があります。
最近は海外送金の理由など細かく聞かれます。
なぜなら世界的にマネーロンダリングに関して非常にうるさくなっているからです。
なのでアドバンスがかなり現実的な種類かと思います。
またこの口座の種類がHSBCとしても、日本人の口座開設には最低基準としています。
もちろん全額を初回に入金する訳ではなく、口座開設から一定期間の猶予はあります。
2、英語・中国語のコミュニケーション能力
これは私も体験しましたが、担当者ベースでかなりの差があります。
私の場合は拙い英語と、学生時代に勉強した中国語で何とかなりました。
しかし人によっては細かく口座開設の理由を聞かれて、最終的には開設できなかった場合もあります。
香港のサポート会社に協力を依頼したとしても、口座開設できる可能性は50%といった所のようです。
ただサポート会社に協力を依頼しても、実際に担当者と話すのはあなたになり、サポート会社が手伝えるのは、想定問答集をあなたに渡す程度になります。
3、居住地
これは今まで2つよりも多少の重要性は落ちます。
例えば中国に住んでいる日本人であれば、海外送金できる金額は年間に5万米ドル(約600万円)までになります。
先ほどの口座種類のプレミア、もしくはアドバンスであっても既に別の要件で海外送金をしている場合は、初期入金額に届かず開設できない場合もあります。
このようにあなたが今住んでいる国によっては、口座開設の壁になる可能性があります。
これら3つの点に気を付けたとしても、口座開設は難しくなってきています。
そこで最近では、香港いわゆる地銀に口座を開設するケースも出てきています。
香港の現地銀行で口座開設
こちらは香港にある銀行の一覧です。
- 中国銀行香港 (Bank of China (Hong Kong) Limited)
- 東亜銀行 (Bank of East Asia, Limited)
- 中国建設銀行アジア (China Construction Bank (Asia) Corporation Limited)
- 集友銀行 (Chiyu Banking Corporation Limited)
- 創興銀行香港 (Chong Hing Bank Limited Hong Kong)
- シティバンク香港 (Citibank (Hong Kong) Limited)
- 中信銀行国際 (CITIC Bank International Limited)
- 大新銀行 (Dah Sing Bank Limited)
- DBS銀行香港 (DBS Bank (Hong Kong) Limited)
- 富邦銀行香港 (Fubon Bank (Hong Kong) Limited)
- 恒生銀行 (Hang Seng Bank Ltd.)
- 香港上海銀行 (Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited (HSBC))
- 中国工商銀行アジア (Industrial and Commercial Bank of China (Asia) Limited)
- 豊明銀行 (MEVAS Bank Limited)
- 南洋商業銀行 (Nanyang Commercial Bank, Limited)
- パブリック銀行香港 (Public Bank (Hong Kong) Limited)
- 上海商業銀行 (Shanghai Commercial Bank Ltd.)
- スタンダード銀行アジア (Standard Bank Asia Limited)
- スタンダードチャータード銀行香港 (Standard Chartered Bank (Hong Kong) Limited)
- Tai Sang Bank Ltd.
- Tai Yau Bank Ltd.
- 永亨銀行 (Wing Hang Bank Ltd.)
- 永隆銀行 (Wing Lung Bank Limited)
何もHSBCだけが銀行ではありません。
これだけある銀行の中で日本人も口座が持てる銀行は多くあります。
現地のIFAによると口座開設の審査基準は厳しくなく、また初回の入金額も1万香港ドル(約15万円)程度と低い所もあるそうです。
またどの銀行もほとんどが「UnionPay」がついているので、日本での引き出しも問題ありません。
これがユニオンペイのマークです。
日本のATMなどにも表示されています。
その他にはネットバンキングの使い勝手もHSBCのように機能が豊富ではないので、かえって使いやすいと評判を受けているとの事です。
香港での銀行口座開設を目的としない
ここまでHSBCや他の銀行での口座開設の現状などをお伝えしましたが、実はこちらが本題です。
まずHSBCや香港の口座を開設する意味や目的を考えましょう。
ただ日本より金利が良いから、またHSBCなら世界どの国でもお金を引き出せるから
こんな理由であれば、あまり香港に口座を持つ必要性はありません。
もちろん通貨の分散という意味では重要かもしれません。
しかしそこには出口戦略がありません。
香港に口座を持つのであれば、資産運用もセットで考えて下さい。
資産運用をした結果、受け取る口座であったり、積立の引き落とし口座であったり
そうした意味での口座を開設を考えましょう。
ただ口座を開設するために香港まで足を運び、時間とお金と手間をかけるのはただただ勿体ないだけです。
無駄なお金になってしまいます。
お知らせ!
この度、初noteを書きました!
「香港オフショア保険の真実」
- 日本人は香港オフショア保険の契約ができなくなるのか?
- 契約方法は?
- HSBC口座の開設は?
- オフショアだからといって税金がかからないはウソ
- IFAが全て運用責任者ではない
これらについてお伝えしています。
価格は300円です。
あまり他では聞けない情報も入っているので、それくらいの価値はあるかと・・・
売れ行きによっては値段を変更するので、お早めに!
追記:2019/07/18
金額を1000円に変更しました。
直接現地のIFAに聞かないと分からない事や、新しい仕組みについて解説しているのは、このnoteでしか読めない情報です。
まぁその分の人件費だと思っていただければ、また今度香港に行ってまた新たに情報も仕入れてくる予定なので、今後の更新も含め価格を変更いたします。