リスクが高いイメージの「先物取引」。
少額でも投資を行えることから、近年では個人の投資家も増えてきています。
その仕組みをきちんと理解して、資産の管理を適正に行えば、リスクを減らすことができます。
この記事では先物取引の特徴やリスク、メリット・デメリットをご紹介したいと思います。
先物取引の特徴とは
先物取引とはデリバティブ(金融派生商品)のひとつです。
将来の時点の価格を予想し売買を予約する取引です。
金や原油などの商品を対象とする商品先物取引や、株式や日経平均225やTOPIXなどの指数を対象とする株式先物取引があります。
例えば、株式会社Aの株は現在10,000円です。
来年の3月に現在の価格10,000円で売買することを約束します。
来年3月に株式会社Aの株は15,000円になっていれば、5,000円利益を得ることができます。
先物取引には以下のような特徴があります。
1、価格の値上がり・値下がりどちらでも利益がある
将来上がるだろうと見込めば「安く買って高く売る」、逆に下がることを見込めば「高く売って安く買い戻す」ことができます。
このように先物取引は価格が値上がりしても値下がりしても利益を得ることが出来ます。
2、レバレッジ効果
証拠金と呼ばれる担保を差し入れて、てこの作用を用いたレバレッジ効果を得ることができます。
少ない元手(証拠金)で大きな利益を得ることが出来ます。
しかし、予想とは反した際には元手以上の損失を被る可能性があります。
3、個別銘柄以外にも投資可能
指数先物取引では、個別の銘柄以外の日経平均株価やTOPIXなどにも投資することが可能です。
銘柄の選定をする必要がなく、またその会社が倒産するリスクなどを回避することができます。
4、夜間も取引が可能
日中仕事をしている人でも、取引を行うことができます。
また時差のある海外での動向を踏まえて取引することが可能です。
しかし、受渡しは翌々営業日となるため注意が必要です。
先物取引のリスクとは
価格変動リスク
価格が変動することによって起こるリスク。
価格は常に変動します。購入時価格が予想に反した場合は、短時間で損失を被る場合があります。
レバレッジを用いた場合は元手以上の損失が出る可能性があります。
レバレッジリスク
レバレッジ取引を行った場合、証拠金を上回る金額の取引となるため、損失が生じた際は差し入れた証拠金を上回る恐れがあります。
追証リスク
先物取引では、先物価格の変動等により事前に差し入れていた証拠金が不足する可能性があります。
不足が発生した場合には、時限内に追加で証拠金を差し入れなければなりません。
これを追証といいます。
この追証を差し入れなければ取引が継続できなくなることがあります。
先物取引のメリット、デメリット
では、先物取引のメリット・デメリットはどのようなものでしょうか。
先物取引のメリット
1、売りから入ることできる
通常、株式の取引では株の値上がりで利益を得ることができます。
先物取引では価格の値下がりが予想される場合でも、売りから入ることができます。
高く売って安く買い戻すことで利益を得ることができます。
このように、価格が値上がり予想ならば買いから・価格が値下がり予想ならば売りから、どちらでも取引ができるというメリットがあります。
2、差金決済が可能
売買で発生した損益の差額のみ受渡しができる差金決済が可能です。
投資元本が必要ないため、取引を少額で投資することができます。
3、ミニ取引
指数先物取引である日経225先物やTOPIX先物にはミニ取引があります。
日経225mini、ミニTOPIXです。
取引単位はそれぞれ10分の1で、値段の刻みも2分の1です。
そのため、少額で投資が可能でありリスクも小さくなることから先物取引初心者にはおすすめです。
先物取引のデメリット
1、 取引期限がある
株式取引では、保有期間に制限はありません。
一方、先物取引には決済日が予め決められています。
期間内であれば売買は可能ですが、期限日には必ず自動決済されます。
短期取引になり、価格の値下がりをした場合も値上がりするまで寝かせておくということができず損失が確定してしまうリスクがあります。
2、 レバレッジ
レバレッジは少ない証拠金(元手)で大きな取引を行うことができます。
例えば日経225先物の場合、最大約34倍のレバレッジです。
銘柄によって異なるため、さらに大きいレバレッジ取引もあります。
また、価格変動によって追証の差し入れが必要になることもあります。
予想と反し損失を被った際は、元手を大きく上回る可能性があるため十分にリスク管理を行うことが重要です。
先物取引のまとめ
先物取引とは将来の時点の価格を予想し売買を予約する取引のことです。
価格の値上がりが予想される場合は「買い」から、値下がりが予想される場合は「売り」からスタートすることで収益を見込むことができます。
また、証拠金と呼ばれる担保を元にレバレッジ取引を行うことで少額の投資で大きな利益を生むことができます。
この最大レバレッジがFX等に比べて大きいことも特徴です。
損が出た場合は、元手以上の損失を被る可能性があります。
短時間で価格は変動しその幅も大きいため、ハイリスク・ハイリターンの商品と言えます。
最大レバレッジは決められていますが、レバレッジを利用せず取引を行う投資家もいます。
レバレッジを上手く利用することでそのメリットを生かすこともできます。
仕組みをよく理解し、自身のリスク管理を適切に行うことが大切です。
まずは少額から投資できるミニ取引から始めてみてはいかがでしょうか。
本ブログでは、この他にも資産運用の様々な種類について解説をしています。
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