複利とは「元金に対してついた利息を元金に加え、その合計額(元金+利息)に対してまた利息がつくので、それを繰り返していく」事を言います。
これを投資でいいかえると、例えば年利10%の金融商品があり、それに10,000円を投資したら、一年後に元金は10,000円でそのまま、利息は1,000円となるので、元金プラス利息の11,000円を新たな元金として再投資することになります。
複利と単利の違い
利息には2種類あります。今説明した「複利」と「単利」です。
複利は今説明したように利息も一緒に元金として、再投資に回すことになりますが、「単利」はどういったものなのか?
同じように年率10%の金融商品があり、これを「単利」で運用します。そこに「複利」の時と同じ額10,000円を投資した場合にどのようになるのか、実際に計算してみたいと思います。
「単利」
1年目
10,000円×110%=11,000円 (利息は1,000円)
2年目
10,000円×110%=11,000円 (利息は1,000円)
3年目以降も同じように
10,000円×110%=11,000円 (利息は1,000円)
3年間投資して、単利の場合は元金10,000円、利息3,000円でトータルでは30%の利益を得ています。
このように単利での運用は、利息を元金に回さずに運用することを指します。
「複利」
1年目
10,000円×110%=11,000円 (利息は1,000円、これを元金として再投資)
2年目
11,000円×110%=12,100円 (利息は2,100円、これを元金として再投資)
3年目
12,100円×110%=13,310円 (利息は3,310円)
3年間投資して、複利の場合、元金は毎年増え続け、利息は3,310円でトータルでは33.1%の利益を得ています。この時点で単利よりも複利の方が310円多く利益を得ています。
→複利で運用できる商品は「生命保険での資産運用(アクサ生命)」をお読みください。
これを10年間という長期の期間でシュミレーションしてみるとコチラの図のようになります。
「単利」の場合は、10年で利息が10,000円(毎年1,000円)つくので、元金合わせて合計金額は20,000円となります。
「複利」の場合は、10年で利息が15,937円つくので、合計金額は25,937円となります。
10年間で5,937円の差が生まれます。
もしこれが常に元金を増やしていくような積立投資の場合は、複利での運用は非常に大きな力になります。
ここでまとめ
「複利」での運用のメリットは、長期で運用する場合は「単利」より大きな利益を得ることが出来る。デメリットは、利益を他の投資先に振り分けることができない。
「単利」での運用メリットは、短期で得た利益を他の運用に回すことが出来る。デメリットは複利のように大きな利益を生み出せない。次の投資先が決まっていない、もしくは老後の生活費などを目的としたような、すぐには使わないお金の場合は、複利での運用がおすすめです。
また投資信託などの商品の場合は、いくつもの金融商品がパッケージ化されているので、複利のデメリットである「利益を他の投資先に振り分けることができない」という分部を打ち消すこともできます。
→投資信託で資産運用をお考えの方は「株の初心者に投資信託をおすすめする理由」もご覧ください。
72の法則とは
こうした複利の計算は少し複雑なので、簡単に計算をしたい場合に役立つのが「72の法則」です。複利で運用する場合、元金が2倍になるまで何年かかるかを簡単に計算できる方法です。
さっきの年利10%の商品を複利で運用した場合、何年後に元金が2倍になるか計算する時、72を年利率の数字で割ります。(例えば5%なら5で割ります。)
72÷10=7.2
年利10%の商品で運用した場合、7.2年後に2倍のなる事が分かります。
複利での運用はあなたの資産形成を助ける大きな力になります。これから投資を始めようと考えている方は、まずは自分が投資する商品が「複利」か「単利」か確認しましょう。
また自分や家族の将来の事も設計し、シュミレーションしながら投資を考えてみてください。