投資信託で失敗しないおすすめの選び方5つ!NISA、iDeCoの活用

資産運用
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投資信託協会の発表によると、2018年12月末現在での私たちが買うことが出来る投資信託の数は6,006本です。

この約6000本の中からあなたに合った投資信託を選び出すことは非常に大変です。

そこで今回は「失敗しない投資信託の選び方」として、投資信託を選ぶ前にあなたがやっておくこと、そして投資信託を選ぶ際に注意する5つのポイントについて解説いたします。

またNISA、iDeCoなど、あなたに有利な税制制度を活用しながら資産運用ができる方法もご紹介します。

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資産運用の目的を明確にする

何のために(目的)、いつまでに(期間)、いくら(金額)

この3つを投資信託を選ぶ前に考えておきましょう。

例えば

  • 老後の資金為に、30年後に、2000万円
  • 子供の教育資金の為に、15年後に、500万円
  • 住宅購入の頭金の為に、5年後に、200万円

このような形であなたがこれから資産運用を始めるにあたり、目的、期間、金額を明確にすることで、選ぶ投資信託の内容も変わってきます。

資産運用の期間別に投資対象を選ぶ

資産運用では期間が重要なポイントとなります。

なぜなら時間をかけて資産運用する事で総体的にリスクを抑える事ができるからです。

例えば老後の資金のように運用できる期間が20年以上ある場合は、ある程度リスクをとった商品を選んでも時間をかければ、そのリスクを抑える事ができます。

また住宅購入の為の頭金のように5年程度の場合は、運用の期間が短いので、時間でリスクを抑えるが難しくなるので、リスクの少ない商品を選ぶ事をおすすめします。

基本的な投資対象のリスクとリータンの関係

5商品のリスクとリターン

出典:資産運用の基本5種類のリスクを比較!初心者にはこれがおすすめ!

運用できる期間が長いものは、リスクのある株式などを中心に選び、期間が短いものは債券などを中心に選ぶようにします。

投資信託を選ぶ際には、株式と債券のバランスを確認しましょう。

投資信託を選ぶ際に、なぜ株式と債券を中心に考えるのか

なぜなら株式と債券は表裏一体の関係にあるからです。

「債券価格が下がると、株価が上がる」

「株価が下がると、債券価格が上がる」

これには2つの要素「金利、景気」に関係していると言われています。

まず金利から考えていくと、現在は「マイナス金利」と言われているように超低金利です。

現在、売られている国内債券の利回りはほぼ0%で全く魅力がありません。

すると債券よりも高い運用益を得ようと、株式市場にお金が入っていきます

次に企業は市場から得たお金で設備投資や人的投資を行い、企業の業績を上昇させようと動きます。

その結果、お金が経済市場で回り始めるので、景気が上昇していき、そして株価を上昇させます。

景気が上昇すると、今度は金利も上昇を始めます。

現在は政策的に金利を抑えていますが、今後景気が回復して行けば、金利は上昇を始めます。

すると今度は、金利が上昇したので債券の利回りも良くなり、株式のようにリスクの高い商品よりも安全に資産形成ができる債券にお金が流れていきます。

お金が債券に流れていくと、企業は株式市場からお金を得ることが出来なくなり、また金利も上昇した事で金融機関からの融資も条件が悪くなり、設備投資などを控えるようになります。

すると経済市場へのお金の流れが滞り、景気は後退し、株価も下降していきます。

現在は日銀と政府が組んで多くの紙幣を刷り、半ば強制的に経済市場にお金を流して、景気の浮上を演出していますが、この状況がいつまで続くのかと言われています。
日本経済は実体経済とかけ離れていると、よく言われているのはこの点です。

このように株価と債券価格は表裏一体の動きをするので、投資信託では株式と債券を中心に置いて投資内容を組み立てていく事が一般的です。

リスク許容度

出典:分散投資おすすめ投資先3選!資産運用初心者向けリスク軽減する4つの分散

こちらの図のように株式の割合を多くし、債券を少なくすれば、リスクは高まりますが、それだけリータンを期待することができます。(ハイリスク=ハイリターン)

この比率によってリスクを確認しながら、目的にあった投資信託を選びましょう。

また資産運用における基本の「長期」「分散」「積立」をきっちり守れば、リスクを抑えながら、あなたの資産を増やしていくことが出来るので、このポイントは忘れないようにしましょう。

このリスクを抑えながら資産を増やしていく方法については、こちらの記事でも紹介しているので参考にしてください。

失敗しない投資信託を選ぶおすすめの5つのポイント

ここまで運用期間にあわせて、どのような組み合わせの投資信託を選べばよいかご紹介していきましたが、ここからは具体的にどの点に注意して商品を選んでいけばよいのか説明していきます。

失敗しない投資信託の選び方1)純資産額残高

純資産残高と言うのは、その投資信託で運用されている金額の合計です。

例えば、私がiDeCoで運用している「ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス」を見てみたいと思います。

ニッセン外国株式の純資産額

こちらは「SBI証券 iDeCo」で見ることが出来る投資信託の情報画面です。

赤く囲ったところが純資産額ですが、このニッセイ外国株式は約192億円となっています。

なぜこの純資産を見た方が良いかというと、例えば大手の証券会社が新商品を出した時には、各営業マンが一気に営業をかけて、ある程度の純資産額にはすることは可能です。

しかしその後の運用実績によっては、純資産額は減っていきます。

純資産が減っていくと、その投資信託を運用するコスト(人件費、調査、管理、運用レポートなど)を賄うことが出来なくなり、途中で打ち切られてしまう可能性もあります。

投資信託の種類にもよりますが、目安としては「100億円」以上の純資産のある投資信託を選びましょう

例えば今回紹介した「ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス」は、2018年9月4日時点での純資産は168億円でしたが、今回見てみたら192億円(2019年1月25日)に増えています。

この商品のように、時間をかけてゆっくりと純資産が増えている商品はおすすめです。

なぜなら運用成績やその商品の内容によって、口コミ的に投資家が増え、評価されているという好循環にあるからだです。

逆に純資産がじりじりと減っていっている投資信託や、最初に紹介したような急に純資産が増えてその後に、一気に減っているような商品には注意が必要です。

失敗しない投資信託の選び方2)資産構成比

資産構成比とは、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、国内REIT、海外REIT、コモディティ(金など)など、投資信託に組まれている資産タイプの割合です。

この資産タイプを、どのような割合で組み合わせているのか確認しましょう。

ニッセン資産タイプ

こちらは先ほど紹介した「ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス」の資産構成比です。

ほぼ外国株式で、少しだけ海外のREITを組み込んでいます。

最初の説明しましたが、株式の割合が高ければ「ハイリスク=ハイリターン」となり、債券の構成比を多くすれば「ローリスク=ローリターン」となります。

その他にREITは株式と債券の中間くらいリスク、コモディティ(金など)は、債券よりも少しリスクがあると考えれば良いでしょう。

私の場合は、老後の資金の為に資産運用をしているので、株式を中心としたリスクをとった投資信託を選んでいます。

このようにあなたも投資の期間によって、どれくらいのリスクを許容できるか考え、この資産構成比を見ながら投資信託を選びましょう。

もしこれらをバランス良く選びたいのであれば、投資信託の中にはバランス型と呼ばれる商品もあります。

こちらの記事でも投資信託でのバランス投資について紹介しているので参考にしてください。

失敗しない投資信託の選び方3)手数料

投資信託を選ぶ際には手数料も1つの比較基準です。

長く資産運用を継続して中で、注意したいのはこの手数料です。

投資信託は、こちらの図のように3社で運用されているのが一般的です。

出典:投資信託とは?仕組みについて解説!手数料の高い商品を選ばない方法

「販売会社」「運用会社」「信託銀行」この3社がそれぞれ役割を果たすことで、投資信託は成り立っています。

そしてこの3社に支払う手数料はこの3種類です。

  • 販売手数料
  • 信託報酬
  • 信託財産留保額

「販売手数料」は最初に1度だけ払う手数料で、2~3%程度が相場です。

仮に100万円を投資しようと思っても3%を販売手数料で取られたら97万円しか投資することは出来ます。

しかし販売手数料は最近「ノーロード」と呼ばれる手数料のかからない商品もあるので、まずはノーロードの商品から投資信託を選んでください。

そして気になる商品がない場合は、次に販売手数料が0.5%以下の商品を探す、このように販売手数料の安いものから順番に見ていく事をおすすめします。

「信託報酬」は、その投資信託を保有している期間ずっとかかるものです。

運用実績と共に、信託報酬を確認してください。

信託報酬についてはこの後の「インデックスとアクティブ」で詳しく書きますが、おすすめはインデックスで0.5%以下、アクティブであれば1%以下の商品を選びましょう。

「信託財産留保額」は、投資信託を売却す際にかかる手数料です。

こちらも販売手数料と同じように「インデックス」と呼ばれる商品の中には手数料のかからない商品もあるので選ぶ際に確認をしましょう。

資産運用において投資信託も同様ですが、あなたが何かをしたからといって運用益があがることはありませんが、手数料はあなたが選ぶ事ができます

しっかりと商品の内容と手数料を確認しましょう。

失敗しない投資信託の選び方4)インデックスとアクティブ

投資信託の中には「インデックス」と「アクティブ」と呼ばれる商品があります。

「インデックス」とは、日経平均や東証株価指数(TOPIX)となどの指数と連動した運用成績を目指す商品の事です。

「アクティブ」とは、日経平均や東証株価指数(TOPIX)などの指数よりも高い運用成績を目指す商品の事です。

日本で販売されている投資信託6006本の中で「インデックス」と呼ばれるものは全部で931本(2018年12月末時点)です。

インデックスを選ぶだけで、一気にその数を6分の1以下に減らすことができ、よりあなたに合った商品を見つけやすくなります。

また「インデックス」は先ほど説明した手数料が比較的安く、ノーロードの商品も多く、信託報酬は0.5%以下の商品がほとんどです。

例えば「ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス」の信託報酬は、0.189%(税別)です。

もちろん「アクティブ」よりも「インデックス」が良いとは一概には言えませんが、6006本ある内の約900本が「インデックス」であれば、その他の多くは「アクティブ」となります。

その中には既に純資産が100億円を切ったような商品や、実質的に打ち切られているような商品もあるので、注意が必要です。

もし「アクティブ」の投資信託を選ぶのであれば、信託報酬は1%以下を目安にしましょう。

それ以上高い手数料の場合は、その投資信託の内容や運用を指揮しているファンドマネージャーの実績など、コストに見合ったリターンが得られるのか確認が必要です。

インデックスとアクティブについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。

失敗しない投資信託の選び方5)分配金

投資信託の分配金には、普通分配金と特別分配金(元本払戻金)と呼ばれる2種類の分配金があります。

普通分配金は運用によって得られた運用益から支払われるのもので、多くの投資信託では分配金を年に1回や、無分配の商品もあります。

分配金を出す回数が少ない、もしくは無分配の場合は、それだけ元本を増やして投資が出来るので複利の効果が発揮されやすく、また税金的にも有利に働きます。

一方、特別分配金は中には「毎月分配型」などもあり、毎月分配金が口座に振り込まれます

これは特にシニア世代に人気の商品で、毎月お金が振り込まれるという安心感で多く販売された投資信託です。

しかしこういった商品は、必ずしも実際の運用益から出ているとは限らず、元本を切り崩して分配金を支払っているケースもあり、分配金が出ている事で実際の運用実績がマイナスになっても気づきにくいまた元本が大幅に目減りしてしまっている場合もあります。

また分配金を受取るので、その時の収入状況や投資状況によるが約20%の税金がかかってしまいます。

効率的に資産運用をするのであれば、特別分配金がある投資信託は選ばないようにしましょう。

投資信託で失敗しない為にNISA、iDeCoを活用しよう

ここまで「失敗しない投資信託の選び方」をご紹介してきましたが、更に失敗しない資産運用する方法として、NISA制度やiDeCoについてもご紹介します。

NISA制度

NISAとは、毎年120万円までの非課税投資枠があり、その投資額内であれば株式や投資信託を購入して得られる運用益や配当金に、本来約20%かかる税金が5年間かかりません

非課税の投資可能な期間は2014年から2023年までと決まっています。

2019年から年間120万円を2023年まで毎年投資した場合、合計600万円の投資額で得られる運用益には5年間税金がかかりません

NISA制度の非課税枠

出典:金融庁ホームページ「NISAの概要」

つみたてNISA

つみたてNISAは2018年はじまった、新しいNISA制度の1つです。

毎年40万円(月額にすると33,333円)までの非課税投資枠があり、その投資額内であれば20年間、投資による運用益、分配金は非課税となる制度です。

通常のNISAと比べて非課税投資枠は少ないが、非課税期間が20年間と非常に長いのが特徴です。

また投資対象の商品は金融庁が定めた基準に準じた商品のみで構成されており、投資初心者が投資信託で資産運用を始めるのであれば、おすすめの制度です。

つみたてNISAについて詳しくはこちらも参考にしてください。

iDeCo

iDeCoはNISAなどに比べて、非課税による節税効果が最も高いと言えます。

こちらはつみたてNISAとの比較表になります。

出典:株の初心者にはつみたてNISAがおすすめ!NISA、ジュニアNISAとの比較、メリット・デメリット

iDeCoは公的年金の補完する商品として考えられており、原則として60歳までは引き出すことが出来ないのが、デメリットです。

しかし最初に紹介したようの節税という面では、iDeCoは非常に有効な制度です。

①所得控除

投資金額がそのまま所得控除されます。

投資した金額分、あなたの所得が下がる事になるので、所得にかかる所得税や住民税を少なくすることが出来ます。

仮に年収300万円で、毎月1万円をiDeCoで投資ていた場合、年間で18000円の還付を受けられ、税金が返ってきます。

②運用益が非課税

NISA制度と同じように運用益には税金がかかりません。

但し非課税投資枠は会社員であれば、月額23000円までと投資額の制限があります。

あなたの属性によって非課税枠の上限が異なります。

  • 自営業者:月額68,000(年間816,000円)
  • 専業主婦、企業年金のない会社員:月額23,000円(年間276,000円)
  • 公務員、企業年金のある会社員:月額12,000円(年間144,000円)

③受取時の税制優遇

iDeCoの場合、NISAのように受取時に非課税にはなりませんが、「退職所得控除」や「公的年金控除」などを受ける事ができるので、一定の節税効果があります。

iDeCoについて詳しくはこちらも参考にしてください。

投資信託で失敗しないおすすめの選び方5つ!NISA、iDeCoの活用のまとめ

資産運用を始める前に準備する点、投資信託で失敗しない選び方、またNISAやiDeCoについてご紹介してきました。

資産運用の初心者には投資信託がおすすめされるケースが多いのですが、実際にどのように調べたらいいのか、どういった商品が良くないのかなど、ある一定の基準はご理解いただけたかと思います。

ネットで話題だからとか、新商品だからといって購入するのではなく、今回ご紹介した投資期間と5つのポイントを確認しながら、投資信託を選んでください。

またこれから投資信託で資産運用を始める方には、ネット証券大手のSBI証券楽天証券 がおすすめです。

どちらも手数料が安く、投資信託の取り扱い本数が2000本以上あり豊富なので、今回紹介したポイントで商品を絞っていきながら、あなたに合った投資信託を見つけ出す事が出来ます。

またもっと投資信託について詳しく知りたいのであれば、こちらの投資信託に関する資産運用セミナーなどもうまく活用しましょう。

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