日本の金利はマイナス金利で銀行などにお金を預けていても金利は微々たるものです。
なので少しでも金利の良い外貨建てでの預金を検討されている方も多いかと思います。
もちろんリスクの分散という意味で外貨を持つことは良い事です。
しかし全てを外貨建てに切り替えるのはおすすめではありません。
もちろん儲けようと考えて外貨建てにする事もおすすめではありません。
そこで今回は資産運用として、外貨建ての預金をおすすめしない4つの理由をご紹介したいと思います。
理由①外貨預金は資産運用ではない、ハイリスクローリターンな商品
外貨預金は取引の手数料が非常に高く、リスクの保証が無いため、資産運用ではおすすめしません。
特に投資をまだ始めたばかりの初心者の方は、銀行が取り扱っているサービスなので安全な投資商品だと勘違いしがちです。
また外貨預金は高金利な通貨の取り扱いもありますが、その仕組みを知らないと大きなリスクを負うことになります。
外貨預金は「為替差益」と「金利」を利用して利益を得る、いわゆる「為替取引」であるということを理解しておきましょう。
銀行の預金制度にある「元本保証」という概念はありません、為替レートの変動で日本円と外貨を交換する時のタイミングによっては、元本割れをしてしまうことは十分に考えられます。
具体的に例を上げると、為替レートが1ドル=100円だったとして、100万円分を米ドルにして1万ドルを預金したとします。
1年後に為替レートが1ドル=90円に下がった時に日本円に戻した場合、90万円になってしまいます。
理由②、外貨預金は手数料が高い
外貨預金は手数料が高いことにも注意しなくてはいけません。
日本円から外貨に交換する時と、外貨を日本円に戻す時にも手数料が発生します。
この手数料の差が銀行の利益になる仕組みになっているからです。
詳しく説明しますと、外貨預金を預け入れたり、払い戻す際には、TTS(買値)とTTB(売値)と呼ばれる銀行が定めた専用のレートによって取引されます。
例えば、この記事を書いている時点で、三菱UFJ銀行のホームページ内にある外貨預金のレート案内には、
TTS(買値)107.97
TTB(売値)107.47
とあります。(2019年6月26日現在)
これを例に、100万円を米ドルで預金する場合
▼預け入れ時
100万円÷107.97=9,261.83ドル
▼払い戻し時
9,261.83×107.47=99万5,368.87円
預け入れと払い戻しを行っただけで、\4,631円の手数料がかかることがわかります。
理由③、ペイオフの対象外
外貨預金には預金保険制度(ペイオフ)の保証がないということも見逃せないポイントです。
普通預金や定期預金は預金保険制度の対象なので、もし預け先の銀行が突然倒産したとしても、1金融機関・1預金者あたりに1,000万円までは元本保証がされていますが、外貨預金は預金保険制度の対象外となるので十分注意が必要です。
しっかりと保証される形で外貨を保有できるわけではないので、預金者がそのリスクを負うことになります。
理由④、現地(海外)で契約するより金利が低い
外貨預金はその高い金利が魅力的だと謳われていますが、金利で得られる利益の半分以上は銀行に抜かれてしまいます。
米ドルの外貨預金を例に挙げると、日本円で米ドルを交換しているので、日本とアメリカの外貨預金による金利の差が、国が定める預金の政策金利と近しい値となっていてもおかしくありません。
日本の金利は0.1%、アメリカの金利が2.5%の場合(2019年5月時点)は2.4%程度の金利となっていてもおかしくありませんが、三菱UFJ銀行の外貨預金の普通預金は0.2%、1年の定期預金でも0.2~0.36%と、金利だけでも銀行側は約2%以上の利益を得ている計算になります。
預金する方にとっては、為替変動のリスクをとっているにも関わらず、銀行側では為替がどのように動こうが、金利を中抜きしてずっと利益を得ていることになり、銀行にとってはノーリスクで利益を得られる仕組みになっているのです。
まとめ
今回は外貨預金をおすすめしない4つの理由をご紹介しました。
通貨の分散という意味では非常に有効な手段です。
しかしお金を増やす、守る為の資産運用として外貨建て預金を選択することはおすすめではありません。
もし外貨建てで資産運用をするのであれば、貯金ではなくしっかりと金融商品を選び投資していく事がおすすめです。