日本人は資産運用について消極的だとよく言われていますが、本当にそうなのか?
2018年8月末で個人型確定拠出年金「iDeCo」への加入者が100万人を突破したとのニュースがありました。
これを聞くと日本人も資産運用に前向きに取り組み始めていると感じます。
しかし実は内情は違うようです。
金融機関55社で構成される運営管理機関連絡協議会の確定拠出年金の資料(2017年3月末)によると、約65%の人が預貯金(定期貯金)や保険などを選んでいるようです。
要するに多くの人が元本保証型の金融商品を選んでいる事になります。
もし1000万円を資産運用で作りたいのであれば、保険や貯蓄などの元本保証型ではなく、投資信託などリスクのある商品を選択する必要があります。
例えば、私たちの年金の一部を運用している、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式と債券に約6割、海外株式と債券に約4割といったポートフォリオを組んでいます。
昨年の運用実績は+6.90%、また過去5年間(2012~2016年)の運用実績は+6.49%でした。
このように私たちの大切な年金を運用しているGPIFでさえも、株式と債券に分けて運用しているのに、多くの人は元本保障型を選んでいます。
ここで簡単にシュミレーションをしてみたいと思います。
例えば、GPIFと同じ6.5%の運用利回りで1000万円を作るには
毎月1万円を積み立てたら、29年5ヶ月
毎月2万円を積み立てたら、21年1ヶ月
毎月3万円を積み立てたら、16年1ヶ月
次に10年間で1000万円を作ろうと思ったら、毎月59,655円を積み立てて運用することになります。
毎月約6万円で10年後には1000万円になります。
貯金なら720万円にほんの少しの金利で1000万円にはなりません。しかし資産運用であれば+280万円の1000万円になります。
もし運用利回りが3%だとしたら、毎月71,542円です。
年間3%の利回りの根拠としては、過去の実績として1990年以降に日本株・日本債券・外国株・外国債券に均等に投資していたら、リーマンショックなど大きな低迷もありながらも、年間の平均利回がおよそ5%になったそうです。
もう一つの根拠としては、2018年1月に世界銀行は今後の世界の成長率が3.1%という予想を発表した事です。
日本含め海外の国や企業に分散投資することで3%程度の利回りは見込むことが出来るという事です。
資産運用「してる人」「してない人」の20年後を投資信託で比較!何となく資産運用でもしてみようかなと考えてはみるけど、何から始めて良いか分からないから、そのまま時間だけが流れてしまっているあなた。資産運用を「している人」と「していない人」の20年後を色々な角度から比較してみました。あなたはどちらを選びますか?
このように低いリスクを取って資産運用していくことが、1000万円を作る最短の方法と言えます。
ここでは資産運用で1000万円を作るおすすめの5つの方法を紹介したいと思います。
資産運用で1000万円を作るおすすめの5つの方法
方法1、現在の家計を見直す
まずは資産運用に回すお金を確保しなくてはいけません。
その為にすることは、まずは紙とペンを用意して先月の支出の内訳を書き出してください。
こうすることで「毎月いくらのお金を何に使っているのか」把握することが出来ます。
こうして書きだすと使途不明金も出て来ると思います。そういった支出は無駄使いなどに回っている可能性があります。
また食費にしても外食が多かったり、携帯なんかも格安携帯に変えれば直ぐに支出を抑えることが出来ます。
こうして見直したお金を資産運用に回しましょう。
方法2、給料から天引き、または自動引き落とし
お金はあるだけ使ってしまうという人は、毎月のお給料から自動引落などを利用して、資産運用を始めましょう。
「パーキンソンの法則」はご存知でしょうか?
パーキンソンの法則(パーキンソンのほうそく、英: Parkinson’s law)は、1958年、英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンの著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱された法則である。役人の数は、仕事の量とは無関係に増え続けるというもの。
引用:Wikipedia
これはお金にも当てはまります。
収入が多くても少なくても、お金を使う量は増え続けるという事になります。
使ってしまう前に自動に引き落とされるようにしておけば、そのお金は使えないので、安心して資産運用ができます。
方法3、とにかくすぐに資産運用を始める
「まずは100万円を貯めてから資産運用を始めよう」なんてことを聞いたことがあると思いますが、私はあまりおすすめしません。
なぜなら先ほども1000万円を作る為の簡単なシュミレーションを見せましたが、資産運用において最も重要なポイントは「時間」です。
仮に毎月1万円を貯金して100万円を用意しようと思ったら、8年4ヶ月かかります。
利回り3%で、毎月1万円を8年4ヶ月運用したら、1,124,356円になり、運用益は「124,356円」になります。
この差を埋めるに、また何年もかかり、ますます直ぐに始めた人に追いつけなくなります。
もちろん資産運用にはリスクがあります。しかしリスクを抑えて資産運用をする方法もあります。
それは「長期」「分散」「積立」で資産運用していく事です。
方法4、お金が自由に使える時こそ資産運用を始める
私たちの人生の中でお金が貯まりやすい時期と言うのがあります。
よく言われるのは「就職から結婚するまで」、次に「結婚後子供が生まれて小さい間」、最後に「子供が親元を離れてから」、これに加えて最近は共働きを多いので「結婚から子供が生まれるまで」も加えても良いかと思います。
この期間はわりと自由にお金が使える時なので、そんな時ほど資産運用にお金を回すようにしましょう。
方法5、iDeCoやつみたてNISAを活用して資産運用
iDeCoやつみたてNISAを活用して、非課税で資産運用をしましょう。
iDeCoもつみたてNISAも運用益に対して非課税です。またiDeCoに関しては、所得控除も受ける事が出来るので、資産運用をしていく上でメリットが非常に大きいです。
これら国が用意している制度をうまく利用して資産運用をしましょう。
資産運用で1000万円をつくるおすすめの5つの方法のまとめ
これからの時代は個人が主体的になって資産運用しなくてはいけません。
10年後、20年後には「している人」「していない人」で格差が生まれます。
先ほども言いましたが資産運用において重要なポイントは「時間」です。
少額からで構わないので、すぐに資産運用を始めましょう。
つみたてNISAについて詳しく知りたい方は「初心者にはつみたてNISAがおすすめ!NISA、ジュニアNISAとの比較」をご覧ください。